「目標」を追うな!?~工務店のマーケティング組織に求められるのは目標の「分解」~
2023/08/13はじめに
こんにちは
株式会社SHO-SANの高谷です。
本日は、工務店の広報組織の「目標」についてお話していきたいと思います。
結論から申し上げれば、少しひねくれていますが、「目標を追うな」というところに行きつきます。……とはいえ、「目標」を設定することは大切です。大事なのは、目標を明確にすること。そしてそのためには、目標を“細分化”することをおすすめいたします。
工務店の目標設定は甘い!?
広報、マーケティング部署の皆さんが目標にしていることはなんでしょう。
もしかすると「棟数」や「集客数」といった数字を目標にしている工務店さんが多いかと思います。
ですが、「その目標を達成するための指標」を明確に設定していますでしょうか。
例えばですが、「月に10組集客したい」という目標を掲げているとしましょう。
この目標に対して、月に8組しか集客できなかったとき、逆に12組も集客できたとき、いずれの場合も、結果を分析することなく次の施策に進んでしまうことが起こってしまっていないでしょうか。
目標が達成できなかったとき、そして達成できたときにも、必要なのは「なぜ達成できたか?/なぜ達成できなかったか?」に目を向けることです。(当然ながら)
集客で重要なのは、PDCAを回すこと。つまり、計画と実行、検証、改善の繰り返しです。
目標を設定した上で、成果の検証がなされない状況では、ただの「施策」の繰り返しであり、それは効果的な「集客戦略」とはいえません。
広報・マーケティング部の「目標」はどうあるべきか
成果の検証をする上で必要なのは、“目標の分解”です。
年間棟数や月の集客数といった目標を達成するために、さらに細かい目標を設定していくようなイメージを考えていただくとわかりやすいと思います。少しビジネス用語でいうとKPIと言われたりもするかもしれません。
ここでは「サブ指標」という表現に致します。
「月の集客数目標」は、「年間棟数目標」を達成するためであるはずです。そこからさらに、月の集客目標を達成するための”もう一歩踏み込んだサブ指標”を立てることを広報・マーケティング部署にはおすすめいたします。
例えば、「月間10組の集客」を目標としているのならば、
- ・紹介から3組
- ・ポータルサイトから3組
- ・チラシから4組
この目標に対し、「月間8組しか集客できなかった」ときの内訳が、
- ・紹介から3組
- ・ポータルサイトから4組
- ・チラシから1組
意外と目標が細分化されサブ指標化されていないために、上記のような状況で良かった施策までもうまく行かなかったと判断してしまい、辞めたり、変えてしまうことがよくある悪い例です。
あくまで例ですが上記の例では全体集客が良くなくなって業績不調だから真っ先に減額しやすいポータルサイトを削ってみるか。みたいな発想です。本来はチラシを削ってポータルサイトに切り替えた方が良いに決まっています。
蛇足ですが、サブ指標をさらに「紹介者の紹介パターン」や「チラシの配布エリア」などで細分化することもできますが、追わなければならない指標が増えすぎて追いきれなくなってしまえば振り返りができず本末転倒です。長期的にはさらなる目標、サブ指標の細分化をしていってもいいと思いますが、まずは「月の集客数」という目標だけでなく、「集客経路(媒体)や集客イベント」ごとのサブ指標を設定するまで落とし込むのが最初は分かりやすくていいのではないでしょうか。
ここら辺、自社はサブ指標に集客経路や集客イベントどちらを設定したら1番成果が出やすい振り返りできるかわからないという方は是非ご相談下さい。話しながらで小一時間で設定できると思います。
目標の細分化は明確な「数字」で
目標は必ずしも、高くある必要はありません。目標の大小ではなく、その目標を達成するためのステップとサブ指標の設定がめちゃくちゃに大事だと思います。
先ほども申し上げましたが、目標を達成するためには、計画・実行・検証・改善を循環させることが重要です。つまり、施策を行うだけでなく“振り返る”必要があります。
たとえ目標が「現状維持」だとしても、振り返りは必要でしょう。現状維持するにしても、集客戦略が“狙い通り”に機能しなければならないわけで、「狙い通りにいったかどうか」を知るため、また「狙い通りにいかなかったときの戦略を練る」ために必要なのが、「数字で示されたサブ指標」となります。
目標だけを追っていてもなんで目標達成もしくは未達なのかわからないのが1番の問題です。
有難いことに集客戦略は、数字でわかる領域です。目標集客数、サブ指標など全ては数字で表せます。数字目標は、一番わかりやすく、追い求めやすいものです。さらに数字を追うことで、集客組織がよりアクティブになり、より前向きにコミットしやすくなるのではないでしょうか。
集客組織が営業以上に数字を追うことで、工務店全体の目標も追い求めやすくなります。全体の目標である「年間〇棟」から逆算し、月の集客数の目標を設定する。ここまでは目標設定しているケースが多いと思うのですがそれだけを追っていても前には進みません。
さらに月の集客数の目標を細分化した“サブ指標”を“数字”で設定することをぜひ試してみていただきたいと思っています。
そういうわけで「目標を追うのではなくて、サブ指標を追うべき」といったメッセージを込めてこのようなお題目とさせていただいた次第です。
それがきっと、本当の意味での「目標を追う」ことにつながるはずだと考えます。
工務店領域のマーケティング機能発展祈って。
株式会社SHO-SAN
代表取締役社長 高谷一起