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「紹介」を増やしたい工務店がやるべき3つのこと

2023/08/27
「紹介」を増やしたい工務店がやるべき3つのこと

こんにちは。
工務店マーケティング支援会社 株式会社SHO-SANの高谷です。

集客の方法は数あれど、既存顧客あるいはOB顧客からの「紹介」は、工務店にとって最も喜ばしい新規顧客獲得方法なのではないでしょうか。

ただ、なかなか紹介が出ない……と悩む工務店さんも多いはず。本回では、新規顧客を紹介してもらうためにすべきことに焦点を当ててお話していこうと思います。

紹介の3つメリット


まずは「紹介」のメリットを整理していきます。

顧客を紹介してもらえれば、広告料がかかりません。紹介が増えれば増えるほど、契約に対する利益率は高まります。

どの工務店さんでも、紹介してもらった顧客は契約にまでいたる確率が高い傾向にあります。

当たり前のように受け入れられているこの事実ですが、なぜ紹介の契約率が高いのかを改めて考えてみると、契約までの一番のハードルとなる「信頼」の部分が担保できているからというのが私の仮説です。

データで見られているわけではないのですが、大きい買い物になればなるほど、決断の最終局面になればなるほど、背中を後押しするのは信頼度であるはずです。

飲食店でも、ちょっとお高いところであればあるほど口コミを気にされる方は多いと思います。現に、工務店領域では「契約の決め手」のトップが「営業担当者が信頼できたから」というもの。紹介となると、親や親族、友人がすでにその工務店で家を建てていて、なおかつ紹介するほど信頼を置いているというところで、信頼面をクリアできる確率が高くなるだと思います。

紹介してもらうには、紹介してくれる顧客の満足度を高めなければなりません。

工務店と家を建てる人は、長ければ1年、2年の間、関わり続けます。この間、顧客の期待を裏切らず、満足度を高めていくには、接客や提案力、技術力に満足してもらわなければなりません。つまり、すべての工程の満足度が一定以上でなければ紹介にはつながらないのです。

「紹介を増やそう」と思ったときにすべきことは、顧客満足度の向上。しかも、どこか1つ切り取った部分ではなく、相談から引き渡しまで継続的に高い満足度を得なければなりません。そのため、紹介数アップという取り組みは会社全体を改善していくことに直結します。

紹介を得るための3つの方法

顧客と接点を持つということは、紹介を得るうえで非常に重要です。とはいえ、コロナ禍では「お客様感謝祭」などを大々的にやりにくいということもあるでしょう。しかしWebで開催するなど、やり方はいくらでもあります。オンラインでもオフラインでも、接点を持つ機会を増やすということが大切です。

あるいは、対面や対話だけでなく「紹介キャンペーン」を企画するのもいいですね。ただ紹介キャンペーンをするには、次の2つの注意点があります。

①紹介される側にもメリットを付ける

1つは、紹介してくれる人だけでなく、紹介される人にもメリットを付けること。たとえば、紹介する人に10万円進呈して、紹介される人になんのインセンティブもなければ、紹介する側が紹介される人に対して「自分だけ得をしているようで悪い」という意識が生まれてしまい、それが紹介の足かせになってしまいます。

ところが、紹介される人にも同様に10万円を進呈するとすれば、紹介者は紹介がしやすくなり、そういった罪悪感も削減できます。

②大義を明示する

紹介を得るための企画では、紹介を受けたい「理由」や自社の家が広まってほしいという「想い」といった“大義”を必ず明言しておきましょう。この観点は見落とされがちなのですが、人を動かすためには、金銭的なメリットだけでなく「なんのために」という理由付けが非常に重要です。

とくに「紹介」という、いわば“やってもやらなくても良いこと”を決断させるには、この大義名分が大きく作用します。

私の経験上、イベント企画より効果が高いのが、担当営業からしっかり声かけをすることです。

一見、家を引き渡して、実際に住んでいただいてからのほうが紹介が出やすそうですが、実は契約から引き渡しまでの間がもっとも紹介を取れる確率が高いということがわかっています。その理由は仮説にすぎませんが、個人的には、家を建てている間がもっともテンションが高く、問題点も表層に現れないからだと思っています。

顧客と会う頻度も時間も多い時期ですから、このときに「家づくりを検討されている方いらっしゃいませんか?」と“何度も”声をかけてみてください。紹介って、生き物なんです。紹介したい人は常にいるわけではなく急に出てくるものですので、めげずにチャレンジする姿勢が大切です。

どんな顧客にでも、同様に紹介してもらえる余地があるわけではありません。中には、人脈が厚く、インフルエンサーのような立ち位置の人もいれば、友人も少なく、そもそも紹介に全く積極的ではないという人もいます。

この濃淡を見極め、紹介してくれる人に対するアプローチを強化していくことも重要な施策です。

顧客全体の2割のロイヤルカスタマーが売上の8割を上げているという「パレードの法則」が、ここにも当てはまると思います。ただ闇雲に紹介を求めるのではなく、ある程度、ロイヤルカスタマーに絞ることで労力が下がり、効果は上がるものと考えられます。

【重要】社内で施策の実行をモニタリングする


ここまで、紹介の出し方として私が効果的だと考える施策をお伝えしてきました。しかし、これらの施策を「やってみよう」というだけではまず効果は上がらないでしょう。

ただやるのではなく、社内でしっかり、誰が何をしてどれだけの結果を得られたかモニタリングすることが何より重要です。紹介数を増やすことを目的としたプロジェクトリーダーを置いてもいいくらいだと思います。 紹介を何度も継続的にお願いするとすれば、社内の関係者は非常に多くなります。営業担当者だけではありません。設計、現場監督、アフターフォロー……顧客と接触するすべての人に対し、声をかけたのかしっかりモニタリングしてこそ結果が出てくるはずです。

総合評価を高め、紹介しやすい環境を作る

日本人は、相対的に、オープンマインドで自ら率先して世話を焼くような人が少ない傾向にあります。したがって、今回お伝えしたような「紹介しやすい環境」を作ることは非常に重要です。

とはいえ、家の性能やデザインのみならず、工務店で関わるすべての人に対して高い満足度を得られなければ、紹介は生まれません。紹介数の増加は、商品開発や社内教育、ブランディングの成功の証。総合評価を高めたうえで、紹介しやすい仕組みを整えていくといいのかなと思います。

それでは、工務店領域のマーケティング機能の発展を祈って。

株式会社SHO-SAN
代表取締役社長 高谷一起

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